The Alters

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メイン翻訳担当させていただきましたのお知らせ。
11 bit studiosさま開発、販売のSFアドベンチャーThe Alters(オルターズ)』日本語翻訳の大部分を担当しました。現在好評発売中です!
すべて一人で担当したわけではなく、自分でLQAできていないのも心残りではありますが、少なくとも物語は概ね問題なく楽しめるものになっているのではないかと思います。

本作は登場人物のほとんどが「自分」という極めて特殊なタイトルで、最初に口調や方向性を入念に練ってから翻訳に入りました。
ヤンの一人称はすべて「俺」で統一。二人称と口調は、キャラ立てのため、それぞれのヤンに合わせて変化させました。その上で、やはり根っこは同じ人間なのだと思わせるよう、特に感情的になった際など咄嗟に出る語彙や口調をある程度統一しています。

ユニークで重厚なハードコアSFストーリーが語られる本作、特にマクスウェルの言っていることは難しいと思われた方も多いでしょう。私も思いました!
深く理解せずに機械的に翻訳することも可能ではありますが、自分のポリシーとして「すべての訳文を自分で説明できるように訳す」というものがあり、彼らの論理、性格、夢や後悔をすべて自分なりに噛み砕いた上で翻訳しています。難しいことを言いつつも、彼の中できちんと論理が組み立てられているように訳したつもりです。

そういうことをしていると、自然とキャラクターに愛着がわきます。
特に今回は、一癖も二癖もあるオルターたちそれぞれの人生が詳細に語られるため、その愛着もひとしおでした。

誰も見たことのない重厚なSFサバイバルアドベンチャーThe Alters。ぜひプレイしてみてください。

作中に出てくる小ネタ:
「プロジェクト・ドリー」「羊のモリー」
世界最初のクローン生物、羊の「ドリー(Dolly)」のオマージュ。

「アルベール・カミュ」
フランスの小説家・哲学者。『異邦人』『ペスト』などが有名。

「ピエロギ」
ポーランドの国民的料理。餃子のように生地で具を包み、茹でたもの。

「狩人のシチュー(ビゴス)」
ポーランドの国民的料理。ザワークラウト(キャベツの酢漬け)を煮込んだスープ料理。とても臭いそう(未経験)(諸説あり)。
(その他、鉱夫の父親、痛み止めで薬物中毒、遠慮なくFワードを発するといった細かい部分にポーランドっぽさが反映されています)

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